驚いた。


玄関を開けると、1つの小さな明かりが暗がりの辺りを灯す中で異様な光景が目に入った。


このところ地域恒例の花火大会での出し物の練習、バイトが立て続けに並んでいたのは知っていた。
玄関の壁にずるりと凭れかかり、靴を脱ぎ途中で睡魔に襲われて倒れた、といった様子で膝をついてだらしなく寝ている男を認めた。
器用なものだ。感心してる場合じゃないと慌てて首を振る。
俺もサークルの飲み会で(仕方なく)盛り上がった帰りで、先輩たちのテンションに疲れて早めに切り上げてきたというのに。
文句を垂れても意味をなさない状況だと知れていたので、とりあえず軽く目の前の脇腹に一蹴しておいた。



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気持ちのやり場に困った大河くん
このあと、なんだかんだちゃんと吾郎くんを抱えて寝室に連れて行きます