12月19日、23:55
「……」
一度現世に帰り、また訪れた尸魂街。
コンに頼んで、家を抜け出して来た。
以前一度だけ訪れたことがある冬獅郎の家に忍び込む。
前に来た時は、俺が熱出してぶっ倒れたからって、自分の家に運んでくれた(所謂お姫様抱っこってやつで!)。
運んでくれた冬獅郎の腕は、俺より小さいのに、細いのに、大きく感じた。
走る冬獅郎がかっこよくて、見惚れてた。
「って!……広すぎんだよこの家は!……いや、屋敷?」
胸に入れておいた携帯の時間を確認すれば、23:58。
「やべっ!あと2分しかねぇし!冬獅郎はどこだよ!?」
その時、携帯の液晶に影がさした。
「俺に何か用か?」
「ぎゃーーー!!」
「……うるせぇ」
「と、しろ!……会いたかった!」
「……俺の家で何してんだ?」
「会いたかったけどさ!急に出てくんなよな!すっげぇびっくりしたんだからな!?」
ぎゅう
あれ、俺の手何してんの?
どさくさに紛れて、何冬獅郎に抱き着いちゃってんの?
抱き着くなら、意識ある時にしてくれよ!
……って、違う!
「黒崎……」
そっと冬獅郎の手が背中に回る。
わ、冬獅郎良い匂いする。
「驚かせてすまなかった。」
ピピピピ
「!!……なんだ?」
「あ……アラームだ」
12月20日、零時ちょうど、冬獅郎の誕生日に合わせておいたアラーム。
抱き着いた腕を緩めて。
目を合わせて。
「冬獅郎。誕生日、おめでとう」
自分のできる限りの笑顔を見せて。
また抱き着いた。
「黒崎、ありがとう」
声だけでわかる。
とても優しい声。
「1番に言いたかったんだ。俺、1番最初だった?」
「あぁ。1番だった。」
「そうだ、プレゼント!」
「え?」
「はい、誕生日おめでとう」
手書きで書いた、「冬獅郎限定・無期限何でもする券×5枚」を手渡す。
「……何でもする券?」
「ほら、冬獅郎の仕事手伝ったりさ、色々。何が良いか分かんなかったから。」
「ははっ、ありがとな」
「じゃあ早速。」
「え?」
「俺の聞く事に、素直に答えること。」
「え?」
「何でもするんだろ?」
「そうだけど……」
びりびりと、5枚の内の一枚が破られる。
「俺は黒崎が好きだ。お前は?」
「何……?」
急な展開に頭がついていかない。
冬獅郎が俺を好き?
……まじで?
「ほら、素直に言いな」
あぁ、お前は最初から知っていたんだな。
俺の気持ちを。
じゃなきゃ、そんなに自信たっぷりの顔できねぇもんな。
「……俺もすき、だ」
「一護、大好きだぜ?」
「……俺も」
「一護が誕生日プレゼントでもよかったんだけどな」
「え!やっぱりその方がよかったのか!?」
一緒の布団に入って、ゆっくり話す。
冬獅郎の温もりが、幸せそのものだと感じた。
「俺もそれ、良いかなと思ったんだけど、恥ずかしいしさー、受け取ってくれなかったらヤだし。第一いきなりキモいだろ!」
「キモくないし、受け取らない訳ねぇだろ。何なら、今からでもそのプレゼント、受け取ってやるよ」
「は……?」
「黒崎一護、くれないのか」
「いくらでもやるよ……ただし、返品不可だかんな」
「上等。今までで最高のプレゼントだ、一護、ありがとう」
ねぇ、
君はもう僕のものだよね
抱きしめて
放せなくなっても
怒らないでよね。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
フリーのお言葉に甘えて攫ってきてしまいました日一…!!
甘くて優しい雰囲気の彼らを描かれる上総さんにずっと憧れてましてっ////
当サイトでは日一をあまりに扱っていないので申し訳ないですが;
それにしても嬉しすぎて…!*><*今後も幸せカップルな日一でいてほしいですv